建設発生土のエコ・サイクル工法

1.はじめに

 21世紀社会に向け、環境と資源の保全は重要な 課題のひとつです。

 未来の世代のために、自然保護及び限られた資源の有効利用を進め、「省資源・資源循環型社会」の構築が求められています。建設業界では、ゼロ・エミッション(廃棄物ゼロ)産業システムの中核を目指し、建設副産物の「発生の抑制」「再利用の促進」「適正処理の推進」の3つを基本施策としてリサイクルの促進が図られています。

 このような背景のもと、土をリサイクルし再資源化を図る「建設発生土のエコ・サイクル工法」が誕生しました。


2.建設発生土の問題点

 「建設発生土」とは、建設工事で地面を掘削した際に発生する土のことです。本来はそのまま元の場所に埋戻すのが望ましいのですが、掘削した土は地下水を含んで軟泥化したり、また硬さや粒度が埋戻しに適さないものがあります。そのような不良土は、埋戻ししても十分な締固めができず、地盤沈下の原因となります。そのため、各種工事で発生する不良土は、埋立処分または土質改良プラントで処理されてきました。しかし、処分地等の不足及び遠方化が、処分費、運搬費のコスト増につながり、不法投棄等の問題が生じました。

建設発生土の埋立処分

 一方、適地不足によるコスト高、さらに埋戻し用山砂の採取地における自然破壊等の問題を「エコ・サイクル工法」が解決します。

山砂採取地


3.建設発生土のエコ・サイクル工法

 「建設発生土のエコ・サイクル工法」は、自走式土質改良機を使用して発生土を現場近傍で改良し、埋戻し材等として再利用するもので

1.運搬土量の低減で車両による渋滞・騒音・大気汚染を軽減し

2.無秩序な投棄による環境破壊を防止し

3.山砂採取量の削減により自然環境保全に寄与するものです。

 また、残土処分費、運搬費、及び山砂購入費のコストダウンを目指すものです。


4.自走式土質改良機の特徴

1.自走式で現場で移動が可能
2.ソイルカッタ+3軸ロータリーハンマにより広範囲な建設発生土を高品質な改良土にすることができる
3.粘性土からレキ混じり土まで均一な混合が可能(改良土の品質が安定)
4.プラント並の大作業量を実現(80m3/h)
5.粉塵が少なく、低騒音


5.在来工法との比較

油圧ショベル撹拌工法(20~40m3/h)
・防塵対策が必要
・均一な混合が困難
・一般的な工法であり、適用性に優れているが混合品質が悪くオペレーターの熟練度などにより改良品質のバラツキがある

スタビライザー工法(30~90m3/h)
・防塵対策が必要
・急な降雨には対応できない
・路床、路体等の改良に広く使用されているが、狭い現場では効率が悪い

固定式プラント(30~150m3/h)
・広いプラント用地が必要
・大規模な設備が必要
・プラントが固定されているため、遠距離運搬が必要な場合もある
・残土改良プラントは全国で約40数カ所しかなく、利便性が悪い